【2024年最新版】保育士の給料引き上げっていつから?気になる年収や待遇改善の情報を解説!
「保育士の給料は低い」というイメージありませんか? 実は国をあげて保育士の給料アップ、待遇改善が進められています。2024年度には、さらに大きく給与が引き上げられる見込みです。 この記事では、保育士の給料が上がる根拠や時期、具体的な金額アップの内容をわかりやすく解説します。年齢や経験年数、勤務地による年収の違いや、キャリアアップ、処遇改善加算など、待遇改善の取り組みもご紹介します。保育士を目指している方、転職を考えている方、将来に不安を感じている方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 保育士の給料が低いってホント?他業種と比較!
「保育士の給料は低い」という話を耳にすることが多いかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか?ここでは、データに基づいて他業種と比較しながら、保育士の給与の実態を見ていきましょう。
1.1 平均年収の比較
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、保育士を含む「福祉施設専門員」の平均年収は以下の通りです。
年齢 | 平均年収(万円) |
---|---|
20~24歳 | 284万円 |
25~29歳 | 322万円 |
30~34歳 | 351万円 |
35~39歳 | 374万円 |
40~44歳 | 396万円 |
これを他の職業と比較してみましょう。
職業 | 平均年収(万円) |
---|---|
看護師 | 504万円 |
介護福祉士 | 358万円 |
幼稚園教諭 | 491万円 |
小学校教諭 | 600万円 |
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)
これらのデータを見ると、保育士の平均年収は、他の職業と比較して低い水準にあることが分かります。特に、専門性を必要とされる看護師や教員と比べると、その差は顕著です。
1.2 保育士の給与が低い要因
保育士の給与が低い要因としては、以下のような点が挙げられます。
- 1.3 公的支援の不足 保育事業は、公的資金によって運営されている部分が大きいため、民間企業と比べて給与水準が低くなる傾向があります。また、保育士の配置基準や処遇改善など、国による財政支援の遅れも影響しています。
- 1.4 仕事量の多さ 保育士は、子どもの身の回りのお世話だけでなく、教育や安全管理など、幅広い業務を担っています。さらに、保護者とのコミュニケーションや書類作成など、負担の大きい業務も多く、業務量に対して給与が見合っていないという現状があります。残業や持ち帰り仕事が多いことも、保育士の負担を増大させている一因です。
- 1.5 社会的な評価の低さ 保育士は、子どもの成長に大きく貢献する重要な仕事ですが、その専門性や責任の重さに比べて、社会的な評価や地位が低いという現状があります。これが、給与水準の低さにもつながっていると考えられます。
1.6 待遇改善の動き
近年、保育士不足が深刻化する中、国をあげて待遇改善の取り組みが進められています。具体的には、給与引き上げや処遇改善加算の拡充などが行われています。これらの取り組みによって、保育士の処遇は少しずつ改善されつつありますが、他の職業と比べてまだ低い水準であることは否めません。保育士が安心して働き続けられるよう、さらなる待遇改善が求められています。
2. 保育士の給料が上がるって本当?いつから?
近年、保育士の待遇改善が叫ばれる中、給料アップは保育士の方々にとって特に気になる点でしょう。結論から言うと、保育士の給料は国をあげて段階的に引き上げられています。
2.1 国が主導する保育士の給与引き上げの動き
政府は、待機児童問題の解消と保育の質向上を目指し、「子ども・子育て支援新制度」を2015年度からスタートさせました。この制度の一環として、保育士の処遇改善が重要な課題として位置付けられています。
具体的には、保育士の経験や職責に応じた賃金アップや、働き方改革を進めるための取り組みが推進されています。2019年度からは、より一層の処遇改善を目指し、「特定処遇改善加算」が導入されました。これは、経験豊富な保育士や、リーダーシップを発揮する保育士に対して、重点的に賃金を引き上げる仕組みです。
2.2 具体的な給料アップの内容は?
保育士の給料は、基本給に加えて、各種手当や賞与などが支給されます。給料アップの内容としては、主に以下の3つのポイントが挙げられます。
- 基本給の引き上げ
- 処遇改善手当の増額
- キャリアアップによる昇給
基本給の引き上げは、全ての保育士を対象としたベースアップです。処遇改善手当は、経験年数や職務内容に応じて支給額が異なります。キャリアアップによる昇給は、主任や園長など、より責任ある立場になることで給料が上がります。
2.3 いつから適用される?
保育士の給料アップは、法改正や制度の見直しによって段階的に実施されてきました。過去には、2013年4月、2015年4月、2017年4月、2019年4月などに給与改善が実施されています。直近では、2023年4月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」に倣い、月額3%相当の賃上げが実施されています。
今後の給料アップについては、政府が「こども未来戦略方針」の中で、2024年度に「こども家庭庁」を設置し、保育士の処遇改善を含めた「こども政策の抜本的強化」に取り組むことを表明しています。具体的な政策の内容や実施時期については、今後の動向に注目する必要があります。
3. 保育士の年収はどれくらい?
保育士の年収は、年齢や経験年数、勤務地域、園の種類などによって異なります。ここでは、それぞれの項目別に平均年収を見ていきましょう。
3.1 年齢・経験年数別の平均年収
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は、年齢・経験年数によって以下のようになります。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 約270万円 |
25~29歳 | 約300万円 |
30~34歳 | 約330万円 |
35~39歳 | 約350万円 |
40~44歳 | 約370万円 |
45~49歳 | 約390万円 |
50~54歳 | 約400万円 |
55~59歳 | 約400万円 |
ただし、これはあくまで平均値です。経験や能力、勤務先などによって、年収は大きく異なります。
3.2 都道府県別の平均年収
都道府県によっても、保育士の平均年収は異なります。一般的に、都市部の方が地方よりも平均年収は高くなる傾向があります。
例えば、「保育士の平均年収ランキング」によると、東京都が約420万円で最も高く、次いで神奈川県が約380万円、大阪府が約370万円となっています。
3.3 園の種類別の平均年収
保育園、幼稚園、認定こども園など、園の種類によっても平均年収は異なります。一般的に、私立よりも公立の方が、また、認可外保育施設よりも認可保育施設の方が、平均年収は高くなる傾向があります。
例えば、「保育士の給料・待遇」によると、園の種類別の平均年収は以下の通りです。
- 公立保育園:約450万円
- 私立保育園:約350万円
- 公立幼稚園:約480万円
- 私立幼稚園:約380万円
- 認定こども園:約360万円
ただし、これはあくまでも目安です。園の規模や経営状況、保育士の経験や能力などによって、年収は大きく異なります。
保育士の年収は、さまざまな要素によって決まります。より詳しく知りたい方は、転職エージェントなどに相談してみるのも良いでしょう。
4. 待遇改善でさらに働きやすく!
保育士の待遇改善には、給与アップ以外にもさまざまな取り組みが行われています。ここでは、キャリアアップ、処遇改善加算、福利厚生について詳しく解説し、保育士がより働きやすい環境作りのためにどのような取り組みが行われているのかを見ていきましょう。
4.1 キャリアアップによる給与アップ
保育士のキャリアアップ制度は、経験やスキルに応じてより高い職位を目指せる仕組みです。キャリアアップに伴い、給与がアップするだけでなく、責任や役割も大きくなるため、自身の成長を実感しながら働くことができます。主なキャリアパスとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 担任保育士
- 副主任保育士
- 主任保育士
- 施設長
これらの職位以外にも、近年では専門性を活かしたキャリアパスも増えています。例えば、以下のような専門職があります。
- 保育指導者:他の保育士の指導や育成を行う。
- 乳児保育専門士:0歳から2歳児の保育に特化した専門知識とスキルを持つ。
- 障害児保育専門士:障害のある子どもの保育に特化した専門知識とスキルを持つ。
キャリアアップを目指すには、保育士としての経験を積むだけでなく、研修に参加したり、資格を取得したりするなど、スキルアップに励むことが重要です。自分自身のキャリアプランを立て、目標を持って仕事に取り組むことで、やりがいを感じながらキャリアアップを目指せるでしょう。
4.2 処遇改善等加算の背景と効果
「処遇改善等加算」とは、保育士の処遇改善を目的として、国が保育施設に交付する補助金のことです。この加算は、保育士の賃金アップや労働環境の改善に充てられます。2013年度に導入されて以降、段階的に拡充されており、保育士の待遇改善に一定の効果を上げています。その背景には、待機児童問題の深刻化や保育の質の向上が求められる中で、保育士の確保と定着が重要な課題となっていることがあります。処遇改善等加算によって、保育士の賃金が向上し、離職率の低下や求人倍率の改善といった効果が見られています。
4.3 処遇改善等加算Ⅰにより追加された項目
処遇改善等加算Ⅰでは、保育士の賃金改善を目的として、以下の2つの項目が追加されました。
4.3.1 基礎分
すべての保育士を対象に、月額4%(約1万円)の賃金改善を行うものです。これは、保育士の経験や職位に関わらず、一律に支給されます。
4.3.2 賃金改善要件分
経験年数や役職に応じて、月額3%または6%の賃金改善を行うものです。これにより、経験豊富な保育士や責任ある立場の保育士の賃金がより優遇されるようになりました。
4.4 処遇改善等加算Ⅱにより追加された項目
処遇改善等加算Ⅱでは、保育士の更なる専門性向上とキャリアアップを支援するため、以下の項目が追加されました。
4.4.1 キャリアパス要件分
保育士のキャリアアップを支援するため、研修受講や資格取得にかかる費用を補助するものです。具体的には、以下のような研修や資格が対象となります。
- 保育士等キャリアアップ研修
- 主任保育士研修
- 乳児保育専門研修
- 障害児保育専門研修
これらの研修を受講することで、専門知識やスキルを深め、キャリアアップにつなげることが期待されています。また、研修受講や資格取得にかかる費用の負担が軽減されることで、保育士が積極的に自己啓発に取り組める環境が整えられることが期待されています。
4.5 処遇改善等加算Ⅱにより追加された項目
処遇改善等加算Ⅱでは、保育の質向上と組織運営の強化を目的として、以下の項目が追加されました。
4.5.1 副主任保育士になる
主任保育士をサポートし、施設全体の運営や保育の質向上に携わる役割を担います。具体的な業務内容としては、以下の様なものがあります。
- 主任保育士の業務補助
- 保育士の指導・育成
- 保護者対応
- 行事の企画・運営
4.5.2 専門リーダーになる
特定の分野において専門性を発揮し、他の保育士の指導や助言を行う役割を担います。具体的な専門分野としては、以下の様なものがあります。
- 乳児保育
- 障害児保育
- 食育
- 安全管理
4.5.3 職務分野別リーダーになる
事務処理や施設管理など、特定の職務分野を担当し、業務の効率化や質の向上を図る役割を担います。具体的な職務分野としては、以下の様なものがあります。
- 会計処理
- 書類作成
- 施設の清掃
- 備品管理
4.6 処遇改善等加算Ⅲとは
処遇改善等加算Ⅲは、2024年度に導入される予定の新たな加算です。これまでの加算に加えて、更なる処遇改善や保育の質向上のための取り組みが求められます。具体的な内容としては、以下の様なものが検討されています。
- 経験年数に応じた賃金テーブルの導入
- 管理職への昇進に伴う賃金アップ幅の拡大
- 業務負担軽減のための事務職員の配置促進
- 保育士の専門性向上のための研修充実
処遇改善等加算Ⅲの導入により、保育士の更なる待遇改善やキャリアアップ支援、そして保育の質向上と人材不足解消が期待されています。詳細については、今後、厚生労働省から発表される予定です。
4.7 福利厚生で働きやすさアップ
保育士の待遇改善には、給与アップだけでなく、福利厚生を充実させることも重要です。魅力的な福利厚生は、保育士のモチベーションアップや離職率の低下に繋がり、より働きやすい環境を実現することができます。ここでは、保育施設で導入が進んでいる福利厚生制度の例を具体的に紹介します。
福利厚生 | 内容 | メリット |
---|---|---|
住宅手当 | 家賃の一部または全額を補助する制度 | 経済的な負担を軽減できるため、特に一人暮らしの保育士にとって大きなメリットとなる。 |
家族手当 | 扶養家族がいる場合に支給される手当 | 家族を持つ保育士の経済的な負担を軽減し、安心して働くことができる。 |
退職金制度 | 一定期間勤務した後に退職する際に支給される制度 | 将来への備えとなり、長く働き続けるモチベーションに繋がる。 |
childcare leave childcare leave childcare leave保育施設利用補助制度 | 保育士自身の子供が保育施設を利用する際の費用を補助する制度 | 子育てと仕事の両立を支援し、安心して働き続けることができる。 |
研修制度 | スキルアップやキャリアアップのための研修費用を補助する制度 | 保育士としてのスキルアップを支援し、キャリアアップの機会を提供することで、モチベーション向上に繋がる。 |
健康診断・インフルエンザ予防接種補助 | 健康診断やインフルエンザ予防接種の費用を補助する制度 | 保育士の健康管理をサポートし、安心して働くことができる環境を作る。 |
メンタルヘルスサポート | ストレスチェックやカウンセリングなどのメンタルヘルス対策を実施 | 保育士の心の健康を守り、ストレスを軽減することで、より働きやすい環境を作る。 |
リフレッシュ休暇制度 | 一定期間勤務した後に、数日間の休暇を取得できる制度 | 休暇を取得することでリフレッシュでき、より良い保育を提供することに繋がる。 |
従業員割引制度 | 施設が運営するサービスや提携企業のサービスを割引価格で利用できる制度 | 保育士の生活を豊かにし、福利厚生としての魅力を高める。 |
これらの福利厚生は、保育施設によって内容や充実度が異なります。転職を検討する際には、求人情報などで福利厚生の内容を確認することが大切です。待遇面だけでなく、自身の価値観やライフスタイルに合った福利厚生制度があるかどうかも、重要な判断材料になります。充実した福利厚生は、保育士が安心して長く働き続けられる環境作りの一助となるでしょう。より良い保育を提供するためにも、保育施設には働きやすい環境作りが求められています。待遇改善の動きが加速することで、保育士がより働きがいを感じながら、子どもたちの成長に寄り添える社会になることが期待されます。詳細な情報については、厚生労働省のウェブサイトなどを参照してください。
5. まとめ
保育士の給料は、他の業種と比べて低い傾向にありましたが、国が主導する待遇改善により、着実に改善が進んでいます。2024年度も、処遇改善等加算Ⅲの導入など、更なる給与アップが見込まれます。年齢や経験を重ねるほど、また、キャリアアップを目指すことで、収入アップも見込めます。待遇改善の内容や、将来的な展望を踏まえ、保育士という仕事のやりがいを感じながら、長く働き続けられる環境を選んでいきましょう。